今年の秋は気持ち悪いほど暖こうて、汗ばむような陽気どした。地震でも起きひんかったらええのんどすけどねぇ。

さて、今日は舞扇のお話どす。
「もうこの舞扇も使い納めやなぁ、長いことお世話になったけど」
髪を先笄に結うた△□ちゃんが独りでつぶやいとります。明明後日の襟替えの日ぃからは芸妓はんとして、舞扇は紫五段に替わるんどす。舞妓ちゃんの間はずっと紅段の扇どした。

【金地近衛引紅五段紋】
金地近衛引紅五段紋

ところで皆さん井上流のきまりの舞扇、舞妓ちゃん用と芸妓はん用では色が違う、て知っといやしたか?「稽古用」は、みんな白地金砂子に井菱の紋どすけど、お座敷や舞台で使う舞扇、舞妓ちゃんは、金地近衛引紅段紋入、芸妓はんは、金地近衛引萌黄段紋入または、金地近衛引紫段紋入どす。いずれも金地のところに白ぬきで※1井菱の定紋が入っとります。扇の寸法は、9寸5分が決まりどす。