祇園のクリスマス
気付いたら、街はクリスマスモードになっとります。祇園町ではそんなことはおへんけど、デパートや商店、最近ではご家庭でもイルミネーションを施したりと、そら華やかな雰囲気どす。ほんま日本人ちゅうのんは環境順応性が高いちゅうか、いっちょかみちゅうか、何でも手ぇ出す人種どすな。
いつものように、前と横にはべべ汚さんようにて、首から手拭いかけて○□ちゃんと○×ちゃんがカツ丼を食べとります。物食べてる時だけは静かどす。やがて食べ終ると、また元気回復して前よか一層おっきな声で騒いどります。
「もうじきクリスマスやん、どっか行きたいな〜、TDLとか」
「ほんまやなぁ、けどうちは今年は27日まで気張らんならんし。せや、せめてパーティーでもしよか」
「お父はん、パーティーしとぉくれやす23日、イブイブ。うちら二人ともその日空いてますねん」
「クリスマスパーティー?子供やあるまいして、まだ子供かあんたらは。そらかまへんけど、その髪では何や雰囲気出ぇへんな。サンタととなかいの着ぐるみでも着たらどないや」
「となかいはお父はんで、うちらは天使どす」
「天使ちゅうよなええもんかいな、天ぷらみたいな顔してからに」
「も〜ぅ、お父はんいけずやわぁ」
わいわい云うてるとこへおかんがやって来よります。
「何にぎやかにしといやすのんえ」
「いや、この子らがクリスマスパーティやろて云うとんのや」
「へぇ、パーティーどすか。そらやりまひょやりまひょ。シャンパンに七面鳥、あとケーキどすな。地方はんも呼んでと」
「ちょっとちょっと、地方はんて何すんのん。まさか舞を舞うんや無いやろな、クリスマスやで、賛美歌やろが。」
「賛美歌て、うちらそんなん知りまへんしぃ、ご詠歌やったら知っとりますけど」
何事もすべて祗園風な考えしか出来ひんおかんにとっては、クリスマスも正月もおんなじようなもんなんどっしゃろねぇ。教会へ深夜ミサに出かけ賛美歌を歌い、キャンドルを持って街を歩く、なんちゅうことは想像もしてはらしまへん。
え、そういうお前は知ってんのか、てどすか?そら知っとりますえ。小学校の頃は毎週教会へ日曜学校に通うて、クリスマスのミサにも行ったもんどす。賛美歌も勿論歌えますし、まじめな子供どした。それがいつの間に、、、あ、そらどうでもよろしいけど。
「カラオケパーティーにしまひょ。で、一番点数の良かったもんが皆のプレゼントを独り占めできるちゅうのん」
「そんなん※1ずっこいわ、○□ちゃん一番上手なん決まってるやんか。ハンデ20点くらい貰わんと勝負にならへんしぃ」
ああでもない、こうでもないて延々と話が続いとりますけど、はてさてどないなパーティーになることどっしゃろか。
※1 ずっこい⇒ずるい
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