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祇園祭の長い一日

お朔日の切符入りから始まって、一ヶ月がかりの祗園祭も24日の還幸祭で、ほぼ終了ちゅうことになんのどす。17日の神幸祭で、本殿から三基の神輿にのって四条のお旅所への出張したはったご神体が、一週間後の二十四日にまた本殿へと還って来やはります。

町の祭も昭和40年までは、7月17日の前祭に山鉾20基が巡行、24日の後祭に山鉾が9基巡行。このように二回に分れて行われてたんどす。41年からは後祭が前祭に合流して、後祭の行事は無うなってしもたんどす。それでは寂しいやろ、ちゅうことで始まったのが、花笠巡行なんどす。

花笠

子供神輿やら、花車、祗園さんの氏子である祗園甲部・祗園東・先斗町・宮川町の四花街から、一年おきに二花街が交替で花笠に参加すんのどす。今年は祗園甲部と宮川町がお当番どした。


朝の10時に八坂神社を出発して、河原町通を御池まで上がってそこから寺町通まで西へ進み、寺町通を四条まで下って、四条通を東へ、お旅所の前を通って八坂神社まで戻ってまいります。

巡行が済んだある日、宿坊で飲んでたらおかんが

「今年も行かはりまっしゃろ、雀踊り」

「う〜ん、けど真っ昼間で暑いしなぁ。会社からやとスーツ姿やし、
たまらんわ」

「そんなん云わんと、今年はうちも出ますさかいに来とぉくれやす
な。一昨年の○×姉さんのときはちゃんと観に行かはりましたやおへ
んか」

横から、○□ちゃんが口とんがらかして云うとります。

この雀踊、各花街が花笠巡行を終えて帰って来たあとに、舞舞台で奉納舞を舞うんどすけど、祗園甲部の出し物が雀踊に決まってるんどす。七人の舞妓ちゃんらが雀に扮して舞を舞うのんどすけど、なかなかかわいらしいもんどす。機会があったらいっぺん観てみとぉくれやす。けど、雀の鳴き声が何で、「チュー、チュー」なんどっしゃろかねぇ

「そろそろ、一番目が始まりましたえ」

宿坊のクーラーの効いた部屋でスタンバイしてることへ、先発隊から連絡が。ほな行こかて、表に出たとたんに汗が出てまいります。汗をふきふき八坂さんまで到着したら、まだ雀までは2つ出しもんがおす。

「暑おすなぁ、お父はんソフトクリーム食べまひょうな」

「え〜、そんなん何処に売ってんねん、また※1ローソンまで戻るのはかなんで」

「いえ、そこの※2二軒茶屋さんでやったはりますねん」

「へ〜、あそこそんなもんまでおいてんのかいな。けど、あんたは食べもんのことは何でもよう知ってるなぁ」

レトロな店内で抹茶ソフトを食べ終わったとき、ちょうど雀が始まるころどした。

雀踊り

今日出てはる舞妓ちゃんの屋形のおかんやら、姉妹芸舞妓が観に来たはります。暑い中ご苦労さんどす。短い舞を見終わって、さて遅い目のお昼を何にしょうかいな、て云うてると

「うち、中華がよろしおす。※3桃庭さん行きまひょ」

先ほどの食い気専門の舞妓ちゃんが口をはさみます。
暑いし、考えるのも面倒くさいので、その妓の云う通りに。クーラーの効いた店で生ビールを一気に飲んだら、やっと人心地がつきました。

さてそおれから、夜の御霊遷しまでかなり時間があるもんで、どうしょうかいなと思うてると、また○×ちゃんが

「うち、映画行きとぉおす。MI3、面白いらしおっせ」

「映画ねぇ、今行ったら中で寝てしまいそうやしなぁ。せや△□姉さんと一緒に行っといない」

「で、お父はんはどないしはりますのん?」

「わしゃここで寝とくわ。帰って来たら起こしてんか」

ちゅうことでまた、仕込みちゃんのベッドを借りて寝とりました。

八時前に帰って来て、起こされたらまた何ぞ食べたいやて。
しゃあないし、開陽亭はんの弁当を取って食べたんどす。どうも今日は中途半端な時間の食事どす。

飲んでわいわい云うてるとこへ

「今、二番目が前通らはりましたえ」

ちゅうて、切通しに住んだはる姉さんから連絡が。

ふらふらと今日二度目の八坂はんへたどりついたら、西御座の神輿が正門前で中へ入るためスタンバイしたはるとこどした。急いでその脇を通り抜けて境内へ。結構な人が集まったはります。

八坂神社の神輿

このお神輿、順番に正門から境内に入って、舞舞台の周りを三周廻ってから、舞台へと上げます。お江戸の三社祭ほどのスケールではおへんけど、「ホイット、ホイット」ちゅう掛け声と共に神輿を持ち上げるのは中々勇壮なもんどす。

この後、「御霊遷し」ちゅうて、お神輿の中のご神体を本殿へ遷さはんのどすけど、このときすべての照明を落として、真っ暗な中、神官が低い声で「オーゥ、オーゥ」と声を出しながら神輿の中からご神体を取り出し、本殿の小さな琴の音を目標に進んで行かはります。境内は、水を打ったような静寂に包まれ、一種独特な雰囲気につつまれます。芸妓はんやら舞妓ちゃんらも神妙に手を合わせて見送ったはります。

無事に本殿へ遷られたら、照明がまた元通りに。これで儀式は終了どす。

喉が渇いたんで、宿坊へ戻ってビールで喉をうるおして、しばらく話してて、時計を見たら、一時過ぎどす、ほんまに長い一日どした。

※1 ローソン  祗園石段下西東角にある。よく舞妓ちゃんら
         も買物しとります。場所柄景観に配慮して看板が
         通常のデザインと異なります。

※2 二軒茶屋 中村樓  創業450余年を誇る、八坂神社の
             門前茶屋。正門前にある。

※3 桃庭    花見小路の歌舞練場の斜め向かいにある、元
         お茶屋さんを改装した中華料理屋さん。

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コメント (1)

澤田:

毎回楽しく読ませていただいています。
ちょっと質問なのですが、祇園祭の花笠巡行の方奉納舞ですが、これは芸妓さんも出られるんでしょうか。

投稿者 : 澤田 日時 : 2007年05月25日 19:18

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2006年07月31日 19:24に投稿されたエントリーのページです。

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