京都祇園観光案内

家付き娘

今日は家付き娘はんのお話どす。家付き娘て、何や?て思わはるお方もようけいたはるかて思いますけど、家付き娘ちゅうのんは、花街ではお茶屋はんや置屋はんの実の娘はんのことを云うのんどす。今でこそ舞妓ちゃんにならはる子は北は北海道から南は九州まで(何故か沖縄の子はいたはらしまへん)日本中から集まって来てはります。昔は地元、それもお茶屋はんとか置屋はんの娘が当たり前のように舞妓で出てたもんどす。お母はんも元芸妓はんちゅう、いわゆるサラブレッドの舞妓ちゃんが結構いたはりました。今ではごく少数になってしまいましたけど。
お抱え(他所から置屋はんへ来て仕込みはんしている子)と比べてどこが違うかちゅうたら、先ず家持ちの子は雑用とかはせんでもよろしおすさかいに、普通の仕込みはんに比べたらそら楽なもんどす。中には家付き娘でありながら、わざと他所の置屋はんへ仕込みに出さはるお母はんもいたはりますけど。苦労を覚えさすために他所のご飯を我が子に食べさす、ちゅうことは中々出けることやおへん。大抵は自分とこへ置いて(注)きずいにさしてはります。ひどいとこやと食べもんまで他の子と差をつけるとこもあったらしおす。
お稽古から帰ったら後はみんな自分の時間どっさかいに。テレビみたり、本読んだりしてるとこを、お稽古から帰っても雑用に追われる子から見たら「なんで、うちだけがこんなことせんならんのや」て思いますわなぁ。けど、そんなことで文句も云えしまへん。そうやってその子は、世の中みんな平等やない、ちゅうことに気がつくのんどす。
他所のお母はん連中やとかお姉さん連中とも昔から顔見知りどっさかいに、一から顔を覚える必要もおへん。舞も小さいときから稽古してますさかいに、そこそこには舞えます。先輩のいじめに会うことも少のおすし、少々やんちゃなことしても、○×はんの娘はんやさかいに、ちゅうことで周りも甘やかしてくれはります。結果、どんな妓になるかは大体想像がつきまっしゃろ(笑)
けど、みんながみんなそんな妓になるのんやおへん。いえ、殆どの家付きはんは、自分が家付き娘ちゅうことをハンディにして、お抱えさんよか倍も気張って稽古したはります。「この前のお稽古んとき、うちと△□ちゃんとがおんなじとこ間違うたんどす。けどおっしょはんはうちだけ叱らはって、△□には叱らはらしまへん。これて差別やおへんやろか?」そう、家持ちはんやと簡単には辞めたりは出来しまへんさかいに、おっしょはんも少々きつう叱っても大丈夫て思うてえはんのやも知れまへん。それとも、あんたらは生え抜きなんやから他所から来た妓に負けてどないしますのえ、ちゅうことどっしゃろか。
また、母親が元名妓とか云われる娘の大変さは、一茂はんを見てたらよう分かりまっしゃろ。人より上手に舞えて当たり前、人と一緒やと「あの人、何してはんにゃろ」、人より劣ってたらそれこそ相手にもして貰えしまへん。このように、一見楽そうに見える家付きはんどすけど、その裏では人並み以上に気張ってはんのどっせ。そういう家付きはん、うちも何人か知っとります。
※きずい–気随・わがままなこと

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