京都祇園観光案内

舞妓はんの出張

サラリーマンやお商売してはる方はいろんなとこへ出張しやはることもありますやろ。最近ではOLさんも一般職やと出張に出てかはります。花街の芸・舞妓ちゃんなども地方(ていう云い方はあんまし好きやおへん)のお客さん方から呼ばれて出張に行くことがあんのどす。お声がかかったら海外でも行かはります。
東京あたりのパーティーとか、催事とかどしたら日帰りで済みますけど、遠いとこやと泊まりがけちゅうことになりますわなぁ。もちろん、舞妓ちゃんは盛装で出かけます。芸妓はんもお客さんの要望があったらかぶって行かはります。舞妓ちゃんは箱枕は必携どす、けどホテルのベッドの上に箱枕置いて寝て首の筋違えて大騒ぎになった妓もおります。そら、首が回らへんかったら舞は舞えしまへんわなぁ。


席は通常、グリーン席どす。列車が動きだすとすぐに眠り始めます。舞妓ちゃんら、髪結うてる妓は後ろにもたれたりでけしまへんさかいに、紅がおべべに付かんように襟元からハンカチかけて前かがみで寝てはります。ゆんべも遅かったし、朝も早いし眠いんどっしゃろねぇ。あ、起こしたらあきまへんえ。暫くの休憩時間、ゆっくりさしといたげとぉくれやす。
気の利いたお客さんなんかやと、仕事は一日だけで次の日はディズニーランドなんかで遊ばしてくれはるとこもおす。もちろんそのときも花代はついとりますし、もっとええお客さんはお小遣いまでくれはんのどすて。そういった出張やと舞妓ちゃんらも喜んで出かけはります。また、仕事は一切なしで、ご飯食べの延長みたいに旅行へ連れていって貰えることもおす。これはもう云うことなしどすな、ただ連れてってくれはる人にもよりますけど。
「これ、○△ちゃん何してんのえ、早うせんともう来まっせ」
「すんまへん、お母はん。ウーロン茶買うて来ましてん、みんなの分も買うてきました」
そうこうしてるとこへ列車が入って来よります。
「ほな乗りまひょか、足下気ぃつけなはれや」
「きゃっ!」
「○△ちゃん、どないしたん」
「えらいこっとす、お母はん。おこぼが下に落ちてしもたんどす。どないしまひょ。うまいこと、列車とホームのすき間から落ちてしもたんどす。見えてはいるのんどすけど取れしまへん。」
「どないしょ、ちゅうてもどもならしまへんがな。次の汽車にせなしゃぁおへんやろ。けど、あんたまたうまいこと落とさはったもんやなぁ」
駅員さんを呼んで拾うてもらうまで、他の妓に肩貸して貰うて、鶴みたいに片足で立った舞妓ちゃんの姿が何やらおかしおす。
新幹線やと15〜20分ほどで次のんが来よりますけど、北海道やら九州への出張で飛行機乗って行くときなんか、遅れたらもう約束の時間には間に合わしまへんわなぁ。実際にそんなこともあるんやそうどす。
「□○はんら遅いなぁ、もうじき搭乗始まるちゅうのに」
ピロピロピロ
「すんまへんお母はん、□○どす。まだ豊中辺りなんどす、えらい渋滞してて、これやときっと間に合わしまへん。どないさして貰いまひょ?」
「どないしまひょ、て云うても次の便やと宴会には間に合わしまへんしなぁ。しゃぁおへん、あんたらはそっから引っ返しなはれ。お客さんには、急に風邪引いたて云うときますさかいに、明日にでも謝りの電話入れとぉきやっしゃ」
「へぇ、どんなこって(※京都弁講座参照)すんまへんどす。」
楽しみにしてはったお客さんには気の毒な、寂しい宴会になりましたやろねぇ。
■このコンテンツは藤村屋電子瓦版の記事を再構成して掲載しております。

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