京都祇園観光案内

舞妓ちゃんと携帯電話

さて、今日は携帯電話のおはなしどす。
この頃では中学生はおろか、小学生までもが持ち歩いてる携帯電話。いったん使いだすと便利なんはよう分かるんどすけど、この前TVで見たら、携帯依存症なるお方が出たはりました。この方、常に5台の携帯を持ち歩き、月の電話料が10万やそうどす。ここまでいくと携帯に縛られてるような気ぃがするんどすけど。
芸妓はんやらおかん連中もみな最近は持ってはります。ただ殆どのお方が発信専用に使うてはるように見受けられますけど。
「おかん、あんたの携帯いつかけても『電源が入ってへんかどこぞ遠いとこにいてて繋がらへん』て云うてるやんか。ちゃんと電源入れてんのか」
「へぇ、そうどすかぁ、あ、ほんまや電源入ってへんわ」
ちゅうようなとこどす。


最近ではおかんらの中にもメール使う方が出てきて、最初の頃は珍し嬉しで、ようメールが届いてたんどすけど、段々と少のうなって来よります。やっぱし寄る年波で、ボタン操作が遅いさかいに1通仕上げるのに1時間もかかるんでは嫌になってきまっしゃろ。
「あ、○×はん今日は何時どしたかいな?」
「なんや、今日はメールとちゃうんかいな」 
「へぇ、メール打つよか電話の方が早おっさかいに」
そらそうどす、けど仕事中にはメールの方が有り難いんやけど。
舞妓ちゃんらは、原則として携帯は持ったらあかん、ちゅうことになっとるらしおす。けど、※1上の紅も差して襟も白っぽいもんになったよな舞妓ちゃんは大抵持っとります。中にはお座敷の最中にトイレ行くふりをして20分も中で電話してたちゅうよな剛のもんもいてたらしおす。彼女ら、勿論お座敷行くときは電源は切っとります、けどたまには忘れることも。
「チャンチャンチャチャンチャチャーン」
「おい誰の携帯や、鉄腕アトムみたいなん呼出音にしてんのは」
「そんなもん誰が使うかいな、ええ年して」
「何やその角っこの方で鳴ってるで」
そこではっと気がついた舞妓ちゃん、あわてて籠の中の携帯の電源を切っとります。
「何や○×ちゃん、携帯持ってんのかいな。ほな番号教えて貰おか〜、せやないとおかんに言いつけるで」
しもたことした、て後悔先に立たずの舞妓ちゃんどした。
ただ、この舞妓ちゃんや(鬘を)かぶったお姉さん方、お茶屋はんの中では携帯を使うことが出来へんのどす。ちゅうのもお茶屋はんの中は木造住宅のわりには大概電波状況が悪うて、アンテナ立ててようやっと繋がるちゅうような状態どす。そこでピンと来たお方はだいぶ祗園通になって来やはりました。あの頭を思い浮かべてみとぉくれやす、髷や鬘は耳まで覆っとります。そこへアンテナ立てた携帯を近づけたらどうなるか、髪の間を突き通さんなりまへん。そんなことしたら髪が崩れるしでけしまへん、ちゅうよな訳でお茶屋はんの中では使えへんのどす。
「このアンテナ、昔のラジオに付いたぁるよな回転するようなんにしてくれはったらええのになぁ」
て、あるお姉さんが云うとります。
「そうか、このびら簪がアンテナになるとか、出来しまへんのやろか」
て、横の舞妓ちゃんが云うとります。
どないどす、ドコモはんでもAUはんでもよろしおすけど造ってみやはったら「芸・舞妓仕様携帯電話」ちゅうのんを。外装は漆塗りの蒔絵かなんかで。あんまり儲からしまへんやろけど、話題にはなりまっせ。
※1 大体、お店出しして1年位経ってから、お姉さんからお許
   しが出て初めて上の唇にも紅が差せんのどす。また襟の色
   も、最初は朱や桃といった派手な色使いのもんどすけど、
   年が経つに連れ段々と地味な色になって来るのんどす。
■このコンテンツは藤村屋電子瓦版の記事を再構成して掲載しております。

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