京都祇園観光案内

日本髪

早いもんで、気がついたら松の内も明け、旧正月も過ぎてしまいました、そうこうしてるうちに節分がやって参ります。ほんまに時間に追い立てられてるような気ぃがしますな。
ひょいと一人で宿坊をのぞいたら、さすがに一月ともなったらひまなんか、珍しくお客が誰もおらしまへん。おかんと○×ちゃんが何やら話とります。
「あぁ、おこしやす」
「おこしやす、お父はん」
「何や、○×ちゃん今日は※1お茶引いてんのかいな。そんなこっては※2今年の一等賞は取れへんで」
「ちゃいますねん、二階で宴会なんどすけど、お客さんがまだお見えやおへんし待ってんのどす」
「あ、そうかいな。で、さいでんはおかんと何話してたんや」
「いいえいな、この妓が早う『おふく』にさしてくれて云いまんにゃけど、まだ早いちゅうてたとこどすねん」
【おふく】
おふく


ご存知のように、舞妓ちゃんは仕込みさんの途中から日本髪を地毛で結うんどす。初めて結う髪型が「割れしのぶ」ちゅう髪型なんどす。髷のてっぺんの膨らみを割ったように前後に紅の鹿子の飾りが入ったもんどす。髪飾りも仰山つけて見た目にも派手な作りどす。これがお店出ししてから二年程経ったころ、お姉さん、おかんらが相談してOKちゅうことになったら「おふく」ちゅうお姉さん舞妓の髪型に替わるんどす。簪の数も減って、鹿子も後ろだけ、シンプルな感じどすけど、玉簪とかはさんごからヒスイへとつけるものも高価なもんになって行くのんどす。
【割れしのぶ】
割れしのぶ
「○×ちゃん、あんたまだ出てから二年も経ってへんやんか、そらまだ早い、あんたやと十年早いわ」
「けど、同期の○△ちゃんやら×○ちゃんももうおふくに結うたはるしぃ〜」
「そらあの妓らは年いってるさかいにしゃあないけど、あんたまだ16やろ、今結うたらおふくやのうておたふくになるで」
「いや、ほんま上手に云わはる」
「も〜ぅ、お母はん〜」
「そうどすえ、それに髷かえしたらもう元には戻せしまへんし、今でけるうちにしといた方がよろしおすて」
おかんがなだめとりますけど、未だに納得できひんような顔つきどす○×ちゃん、その証拠に口がとがっとります。
「ほな、今年の祗園祭までにはさしとぉくれやすか?それまで待ちますさかいに」
「せやなぁ、もちっと賢うして落ち着いて来たらな。○△はんとも相談しといたげるわ」
「おおきにぃ、お母はん。宜しゅうお頼申しますぅ」
【勝山】
勝山
○×ちゃん、何で祇園祭前にこだわったかちゅうたら、祗園祭の※3鉾立の日から※4還幸祭までの間に、おふくに結うたお姉さん舞妓だけに許された髪型「勝山」を結うことが出来るさかいなんどす。高卒で来た舞妓ちゃんらの殆どはこの勝山は一度くらいしか経験出来しまへん、やっと結うたて思うた翌年には襟替えして芸妓はんちゅうことになってしまうんどす。○×ちゃんはこのあこがれの勝山を3べんはしたろ、て企んどるに違いおへん。
※1 お茶を引く お花が売れない状態、大昔は本当に石臼でお
         茶を引かされてたそうな
※2 一等賞   毎年、始業式のとき前年度のお花売上上位の
         妓が表彰されます
※3 鉾立の日  7月10日 この日に鉾を組み上げる
※4 還幸祭   7月23日 四条お旅所へ遷っておられた八
         坂神社の祭神が帰って来られる日、詳しくは
         藤村屋の観光案内を

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