京都祇園観光案内

都をどり

桜の花に誘われるかのように、仰山のお方が花見小路を歩いてはります。けど、よう見たらべべ来たおばちゃん連中と、耳に赤鉛筆はそんだおっちゃん連中と、およそ正反対のグループが歩いとります。そう、おばちゃん等は都をどりを観に来やはった方々で、おっちゃんらは隣のJRAへ馬券を買いに来やはった方々どす。
今年もをどりの季節が巡って参りました。うちは桜の花も、のほほんとした春の季節もあんまり好きやおへん、ちゅうか好きやのうなったんどす。をどりも以前のようには楽しめんようになりましたけど、癖のもんで自然と足が向いてしまうんどすなぁ。
歌舞練場の中は、いつもと変わらへん光景が見られます。華やかな雰囲気に包まれたお茶席には、お茶屋さんのおかん連中やらお客さんを案内して大きなお姉さん方、それに空き番の舞妓ちゃんやら、他所の廓の舞妓ちゃんらがお客さんに連れられてひらひらと動き廻って華を添えとります。
「あ、○×はん、毎日ご苦労さんどすなぁ」
「せやねん、これで一応六組ひと通り観せてもろたし、今年も義理果たせたわ」
「おと〜はん、うちの総をどりも観てくれはったんどすか?」
今年初舞台の□△ちゃんがすり寄って来よりました。
「ああ、もちろん初日に観たで。9列の真ん中へんにおったのに見えへんかったか」
「そんなもん、それどこやおへんしぃ。顔が引きつりそうどしたのに、そんな余裕なんてあらしまへん」
「あんたみたいに丸い顔は引きつらへんて」
「も〜ぅ、いけずやわぁ、お母はんおこっとぉくれやす」
そうこう云うてるうちに、開演を知らすブザーの音に急かれて客席へ入ると、平日にも関わらず結構満員どす。組合もよう儲けてはりますな、今年はおまけに都をどりカレンダーまで作って小金稼ご思うて、またハワイ旅行どっしゃろか。
さてこの都をどり、毎日おんなじメンバーが出てるわけやおへん。なんぼ元気な舞妓ちゃんでも30日ぶっ通しやと倒れてしまいます。で、メンバーは一番、二番、三番に夫々AとB、都合六組で構成されてんのどす。それが毎日交替で一番A⇒二番A⇒三番A⇒一番B⇒二番Bちゅう順番で出てはんのどす。
この中でも三番Bの組が一番嫌らしおす。お朔日からみんなが初日明けて行くのんをじっと待ってるのんが緊張して辛いんやそうどす。せやから、空き番の芸・舞妓さんらが会場内をうろうろしてても、こいつら落ちこぼれかて思わんといとぉくれやっしゃ。
【総をどり】
総をどり


このをどり、総をどりと中挿み・なかばさみとに別れとります。総をどりちゅうのんは、毎年新調される揃えの衣装をつけて、一番最初に※1「ヨーイヤキャ〜」て出てくる妓らどす。途中の場面にも出てくるとこがおすけど、衣装がおんなじやさかいにすぐに分ります。
中挿みちゅうのんは別踊りとも云われる、年ごとに変わるストーリー性のある色んな舞で、独り舞から数名で舞うもんまで、若手芸妓さんから順に大きなお姉さんへと番組が組んだあります。今年やと二条城大広間雪見とか戻橋鬼女伝説がそれに当たるんどす。
総をどりには舞妓ちゃん、若手の芸妓さんが中心になってますけど、中に数名指導員として大きなお姉さんが入ってはります。そら舞妓ちゃんや若手の芸妓はんらの中に入ったら老けて見えるのんはしょうおへんけど、事情を知らんお客さんらが「うわ、あれ見てみ、えらい老けた舞妓ちゃんがいてるで」ちゅうてご丁寧に指まで指されたときにはほんまに悲しおす、て云うたはります。去年まではまめ鶴さんもこの総をどりに出されてはりましたが、今年はどうやら卒業みたいどす。最年長は佳つ乃はんあたりどっしゃろか。
これに加えて、舞妓ちゃんやら若手の芸妓はんはお囃しにも出んなりまへん。これらを組み合わせて、舞妓ちゃんは都合5組で25日プラスお点前のお控え、結局月の殆どが出番ちゅうことになってしまうんどす。さぁ今年も最後まで、栄養補給は充分どっしゃろし、あの世から見守ってくれてはる四世お家元の為にも、気合で乗りきっとぉくれやす。
※1 活字などでは「ヨーイヤサー」となってますが、聞いたところ
   みんな「キャー」と云ってるそうです。

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