京都祇園観光案内

舞妓ちゃんらのお部屋

さて今日は舞妓ちゃんらのお部屋の話どす。皆さん方はお家では夫々に自分のお部屋を持ってはりますやろか?うちは幸か不幸か一人部屋で過しておりますけど。
屋形によって夫々事情が違うんどすけど、舞妓ちゃんら、大概は相部屋で暮らしとります。人数がすけないとこやと一人部屋が当たることもおす。また、上の妓だけが一人部屋で、下の妓らは相部屋ちゅうとこも。初めて仕込みちゃんを置くちゅうことで、部屋を今どきの若い娘さん好みにリニューアルしたげはったとこもあんのどすて。
人数の多いとこやと、一部屋に4人ちゅうこともおす。部屋に二段ベッド2つ入れて、何やB個室寝台みたいな感じどす。勿論そんなとこではプライバシーなんちゅうもんはおへん。後でこっそり一人で食べよて思うてたお菓子もすぐに見つかってしまいます。
「誰え、うちが帰って来てから食べよて思うて置いといた苺ポッキー食べてしもたんわ」
「ああ、それどしたらさっき△×姉さんが見つけはって、『あ、ええもんあるわ。皆で食べよ』ちゅうて頂きましたけど」
「んもぅ、せっかく楽しみにして帰って来たのにぃ」
「もー、もー、て牛みたいに啼かいでも、明日また買うたげるやんか。それにあんた、この時間やとどこぞでおうどんでも呼ばれて来たんとちゃうん。寝しなにそないぎょうさん食べたら太るえ」
「いえ、おうどんやのうて和風冷麺どしたけど、、、」
部屋に戻って来た△×ちゃんに云われたら、それ以上は逆らえしまへん。何せ上下の関係は厳しい世界どっさかいに(^.^)それに、△×姉さんには皆んながしょっちゅう奢って貰うてるさかいに、文句云えしまへん。


皆んなが帰って来て、寝るまでの※2あいさに毎晩話合が開かれんのどす。今日あった嬉しいこと、嫌なこと、優しいお客さんに今度ご飯食べ連れて貰えることとか、他所の屋形のいけずな姉さんにいじめられたこととか。また自分らの将来のこととかは、皆んな余計に話に熱が入るんどす。
「△○ちゃん、あんた襟替えせんと、舞妓ちゃんだけで※1年明けたら郷へ帰るて、ほんまなん?」
「へぇ、実家の稼業を継ぐことになりましてん。それにうちは舞妓さんになるんが夢どしたし、もうこれで充分どす」
「ふ〜ん、でそのことは△□さん姉さんにはもう話したんか」
「いや、まだ云うてぇしまへんねん。何や云い出しにくぅて」
「けど、そんな大事なこと、真っ先にお姉さんに云わんと。お姉さんかて、他所から先に耳に入ったら、ええ気はしやはらへんえ」
夜も更けて、寝静まった町には物音もせぇしまへん。そんな静寂の中、舞妓ちゃんらの話は延々と続いとります。聞いてるのんは部屋の柱と壁くらいのもんどっしゃろか。思うたらこの部屋の柱や壁は今までに色んな妓の喜び、悲しみを見つめて来たことどっしゃろねぇ。
※1 年明け(ねんあけ) 年季奉公が終ること。屋形によって
       異なるが、大体5〜6年の年季プラス3〜6ヶ月
       のお礼奉公がある。
※2 あいさ 間

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