京都祇園観光案内

招木

師走に入るとさすがに朝晩は冷え込んで、舞妓ちゃんの襟足も寒々としとります。あきまへんえ、後ろから息吹いたりしたら(笑)紅葉のピークも済んだんか、少し町も静けさを取戻して参りました。南座には恒例の招木が上がり、否が応にも段々と気忙しゅうなって参ります。舞妓ちゃんの髷にも小さな招木のついた簪が飾られとります。これは最初は無地の招木に、花街総見のときに楽屋まで行って書いて貰うもんどす。ちなみに女形の役者さんは赤で書いてくれはります。
「お父はん、これ今年のんよろしおっしゃろ」
○×ちゃんが自慢そうに見せてくれた簪には、招木が3つも付いとります。普通は2つなんどすけど、無理云うてお姉さんにお許し頂いてこさえたんやそうどす。で、仲間うちに自慢して廻っとるんやそうどす。
「ほ〜ぅ、3つも付いてるやないか、仁左衛門はんに菊之助はん、やっぱし海老蔵はんはちゃんと押さえてんにゃな」
「そらそうどす。かっこよろしおしたえ、暫の権五郎」
「何の話しといやすのん、そない舞妓ちゃんにひっついてからに、いやらし。いっぺん※1やいとすえんとあきまへんな」
おかんが宴会から帰って来よりました。
「何云うてんねん、○×ちゃんが簪見てくれて云うさかいに見せて貰うてただけやないか」
「お母はんも見とぉくれやす、これなんどすけど」
「へぇ、3つも招木がついてますのんか。こらよろしおすわ、目立って。で、あんただけかこれこさえたん」
「いえ、□△ちゃんとおそろいでこさえましてん。せやし二人だけどす、これつけてんのは」
「あんたもよう変わったもん持ってるわなぁ。この前もなんやカプセルの中にサボテンが植わったストラップしといやしたな。どこであんなん見つけて来やはんのえ」
「あれは、ネットショッピングどす。いろんなお店がぎょうさんあって退屈せぇしまへんしぃ」
「変わったもん、ちゅうたらお父はんもよう色んなもん探して来やはりますえ。この前も、ほんまもんのガーターの留具をストラップにしたん皆に配ってはりました。けど、さすがのうちでもあれはよう付けられしまへんわ。○△さんお母はんは気に入って付けてはりますけど、まっ赤のレースのんを」
そう、最近の芸・舞妓さんらの中にはパソコン持ってる妓もいたはります。あの恰好でキーボード叩いてるとこなんぞ、ちと面白い光景どすな。どこぞのメーカーさん、CMでやらへんかいな。
「いやぁ○○さんのパソコンやぁ、うち大好きどすねん」
「○○さんのパソコン、うちかて使えますえ〜」とか云うて。
けど、夜帰ってからパソコンに向かうてると、ついつい長うなって睡眠時間が短こうなんのが辛いとこどすて。
※1 やいとすえんと  お灸をすえないと

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください