京都祇園観光案内

をどり月

四月に入ってをどりも始まり、連日歌舞練場は賑わっとります。一月間のうち、若い舞妓ちゃんらは殆ど毎日、舞やお囃子、それにお茶のお控えと休みなしどっさかいに、ほんま体力勝負のお仕事どす。それにこの期間は、お客さんも多いし舞台が終わってからのお座敷も普段よりか多いんどす。
「今日はえらい人出やなぁ、みんな花見に行きよるんやろか?」
「そうどすねん、宵の口からそらすごい人どっせ。そや、これからうちらも皆で円山行きまひょか、お花見に」
「いや、よろしなぁ。あすこの店の焼肉、結構いけますねん」
「○×ちゃん、あんたは明日出番やし早よ帰って寝よし」
「え〜、そんなんあきまへん〜、うちも行きとぉおす」
「けど、あんた明日の髪結いさんえらい早い時間と違うたか」
「へぇ、明日は5時半どすねん、うち絶対起きられしまへんし、お母はん起こしとぉくれやす」
「しゃぁないなぁ、ほな一緒に行くか」


をどり期間中は髪結いさんも混みあいますさかいに、早朝からちゅうこともあんのどす。ひと月間、髪結いさんも休みなしで大変どすなぁ。こうした裏方さんの働きもあって花街が成り立って行けるんどすけどね。
今年やって来た仕込みちゃんらにとっても、このをどりが最初の試練の場となんのどす。毎日楽屋にお姉さん方のお手伝いにやらされたら、そらその忙しさにびっくりして、中にはこんなこととてもやないけど続けられへん、て辞めて行く子も出てまいります。まぁ、をどりが済んで※1明けのお休みから帰って来た子はその後も続く可能性が高おすけどね。
「ちょっとそこの仕込みさん、あんたのことや。この荷物うっとこの屋形まで持って行ってんか」
「あの〜、屋形てどこの、、、」
「え、あんたうちの名前知らへんのか、ほんまにどこの子え」
「すんまへん姉さん、、、」
自分とこのお姉さんでもない芸妓はんから用事を云いつけられても、断る訳にも行かしまへん。取り敢ずそこにいてたら何なと用事いいつけられます。この時季、歌舞練場近くを走り回ってるお下げ髪の子は、たいてい仕込みさんどす。
そんなきついとこなんどすけど、楽しいこともあんのどす。ちゅうのも普段はあんまり顔合わすことのない同期の仕込みちゃん同士が集まって、いろんなことを話出来るちゅうのんは楽しみのひとつどす。悩みもおんなじ境遇やから話し合えんのどす。この頃仲良うなった子とは将来、同期の舞妓として他とは違う親しい付合になっていくのんどす、いわゆる戦友みたいなもんどすな。
それに楽屋にいてると、お姉さん方に届けられた差し入れのおこぼれに預かることもありますし、これも楽しみの一つどす。
「ちょっとあんたら、このケーキ皆で食べよし。差し入れで貰うたんやけど、うちは甘いもんは苦手やさかい、遠慮せんとおあがり」
ちゅうてぐっと飲み干したお姉さん、ペットボトルの中身はお酒や、とかいう噂が(笑)
そんなこんなで、いつのまにか始まったをどりも、わいわい云うてるうちに知らん間に終わってしまうんどす。で、それが済んだらまた温習會の判取帳が廻って参ります、あ〜しんど。
※1 明けのお休み  都をどりが済んで、5月1日から4・5
           日ほどのお休みが貰えます。故郷へ帰っ
           たり、皆で遊びに行ったりしています。

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