京都祇園観光案内

お茶屋廻り

気がついたら、をどりも残すとこ数日となってしまいました。今年の花見どきは、寒いは雨降るはでさんざんどした。皆はんはお花見行けましたやろか?
さて今日は、「お茶屋廻り」のお話どす。えっ、お茶屋て行けるのんは街で一軒だけやなかったんか?ちゅう声が聞こえて来ますけど、そやおへん。お茶屋廻りちゅうのんは、客がお茶屋のハシゴすることやのうて、舞妓ちゃんらが挨拶に廻ることを云うのんどす。


いっときは、レッドデータブックに載るんやないかと思うほど、数が減ってしもた舞妓ちゃんも、近年は舞妓ブームとやらで、甲部も今年は16名の舞妓ちゃんがデビュー。5月には総勢36名となんのどす。おまけに仕込みちゃんも今年は17名。どこの置屋さんも物理的な理由でこれ以上は、て断ってはるらしおす。それでもええからと、順番待ちも仰山いてるとか。来年はお茶席のお控えも二人づつになるやも知れまへんな。
うちも、去年あたりから出た舞妓ちゃんらの顔と名前が分らん妓が過半数を超えてまいりました。大きなお姉さんらに聞いてもおんなじ答えが返ってまいります。
「こんばんは〜、姉さん」
道ですれ違うた舞妓ちゃんが、隣の姉さんに挨拶していきます。
「あれ、誰や」
「さぁ、うちも分らしまへんねん、※1紋からしたら○○さんとこの妓やとは思うんどすけど」
プロが分らへんのに、素人が分る筈おへん。名札でもつけといてもらわんとあきまへんな。
もっと昔は、それこそ芸妓700名、舞妓80名ちゅうすごい数がいた頃がおした。それこそ、都をどりにも出られはん妓が仰山いたんやそうどす。をどりどころか、お座敷でも、不器量な妓やとか、舞の下手な妓なんかはお花が売れしまへん。で、そういった妓はどうするかちゅうと、朝のうちに町中のお茶屋さん全部に挨拶に出かけんのどす。取り合えず顔と名前を覚えて貰わんことにはどうしようもおへんさかいにねぇ。
「お母さん、お早うさんどす。○○の□△どす。またいっぺん呼んどぉくれやす。お頼申します。」
玄関口が開いてたら、中へ入って大きな声で挨拶します。お母さんも機嫌が良かったら、顔出してくれますやろけど、何十人も毎朝来られたら、よほどの事が無い限りは、奥から返事するだけになりますわな。
で、玄関が閉まってて留守なときは、一筆箋みたいなもんに挨拶を書いて、玄関脇に用意したある篭の中に入れとくのんどす。雨の日ぃも風の日ぃも毎日毎日繰り返すんのどす。そのうち、お茶屋のお母さんも知らん間に名前を覚えてしもて、宴会なんかで数が足らんようなときに、ふと思い出して呼んでくれたりすんのどす。それから先はその妓の努力次第ちゅうことどすな。
十五やそこらで、こんだけ地道に努力したはんにゃさかいに、もうちっと気張らんとあきまへんえ、そこの営業マン(笑)
最近また、このお茶屋廻りが復活してまいりました。もっとも、よう売れてる妓は、そんなことせんでもええわ、て思うてんのか、行かはらしまへん。けど、人気商売はいつどうなるやは分らしまへんえ。転ばぬ先の杖、て云いますさかい。今の内からお茶屋廻りしといた方がよろしおすえ。て、お母ん連中が云うたはります。
※1 紋  舞妓ちゃんのだらりの帯の下の方に、その屋形の紋が入っとります。それで、その妓がどこの置屋の妓かが分るんどす。戦前は、小学校を出て舞妓にデビューしたもんやさかいに、ほんまに迷子になる妓もいたらしおす。そんなとき街の人が紋やらぽっちりやらを見て、屋形まで連れて帰ってくれたんやとか。

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