京都祇園観光案内

夏越の祓と水無月

しとしとと降り続く梅雨の雨に、紫陽花の花が見事な色合いを見せとります。雨の日ぃはうっとうしおすけど、雨の日ぃにしか味わえへんもんもおす。うちでごろごろしてんと、傘持って出かけまひょか。
さて、今日は趣向を変えてお菓子のお話どす。皆さん方のとこではどうか知りまへんけど、京の町では6月30日(水無月晦日)にそのまんまの名前のお菓子、水無月を食べる習わしがおす。今でも、その頃になったらどこの御菓子屋さんの店先にも「水無月あります」ちゅう張り紙が見られんのどす。
水無月
水無月

水無月晦日には神事で「夏越の祓・なごしのはらえ」ちゅうのんがおす。「夏越」という言葉は「和(なご)す」の意味があるんやそうで、悪鬼邪鬼を和ませんのが夏越の祓なんどす。神社の境内にしつらえられた「茅の輪・ちのわ」をくぐるとその夏を元気に乗りきれるんやそうどす。大抵の神社で大体25日ころから準備してはりますさかいに、もし日程が合えばいっぺん行ってみとぉくれやす。※1城南宮さんでは自動車もくぐれる茅の輪を用意したはります。
八坂神社の茅の輪
八坂神社の茅の輪


昔はこの日ぃに冬場※2氷室に貯えた氷を取り出して来て食べるちゅう習わしがおした。もっともそないな貴重なもんを食べられるのんは上流階級の限られたお人だけどす。冷凍設備の無い当時では、とても一般庶民には当たらしまへん。そこで皆が考えたんが「水無月」ちゅうお菓子なんどす。白い外郎・ういろうを三角に切った上に小豆がべったりのってる、ちゅうのんが一般的どす。上品なお店やと、葛で作って小豆もぱらぱらちゅうのんもおすけど。この外郎は氷の代役、小豆は邪気よけにちゅうことどす。何や落語の「長屋の花見」みたいな気ぃがすんのどすけど。
現代では、誰でもが氷はおろかアイスクリーム、シャーベットと何でも口に出来ますさかいに、今の若い子はあんまり食べてへんのやないかて思います。
「○×ちゃん、みなづき買うて来たげたし、食べよし」
「え〜、うちそんなんよかアイスクリームがよろしおす。都路里の抹茶パフェならもっとよろしおすけど」
「何云うてんにゃ、今日は夏越の祓えちゅうて、みなづきを食べる日ぃなんやで、これ食べたら夏バテせえへんし」
「そうどすかぁ、ほないただきますぅ〜」
しょうことなしに食べ始めたとこへ、おかんがやって来よります。
「ほぉ、みなづきどすか、ほなうちも一つよばれとこ。※3あずきはずれしたらあきまへんし」
年配のお方は素直どす。けど、一つちゅうてたんが三つも食べてどないしますねん(笑)
これが済んだら七月、祗園囃子が聞こえて参ります。今年もまた暑い夏になりそうどすなぁ。
※1 城南宮 京の南、伏見区鳥羽にある神社です。平安時代は
   熊野三山へ参詣する前に道中の無事を祈ってここを訪れた
   て云われてます。現代は、家の建て替え・引越などのとき
   の方除の神社として有名です。
※2 氷室・ひむろ 冬場、池に張った氷を夏まで保存しておく
   為に土中に穴を掘り、わらで覆って保存した。現在、京都
   府下、八木町神吉に氷室という地名が残る。
※3 小豆外れ どういう理由かは知りませんが、誰かが小豆を
   食べてたら、三粒を分けて貰うんです。そうしないと自分
   には幸福がやって来ないとか。同じように蕎麦も三筋を分
   けて貰います(蕎麦外れ)。花街だけの風習か?
 
→水無月はこちらから購入出来ます
■このコンテンツは藤村屋電子瓦版の記事を再構成して掲載しております。

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