京都祇園観光案内

暮れの襟替え

 また今年も騒がしい季節がやってまいりました。平日でも結構な人出どっさかいに、土日ともなったらそら大変なことに。とてもやおへんけど、JR東海さんのポスターに写ってるような風情は味わえしまへん。ある高尾の料理旅館の社長が云うてました。「まるで下から人が湧いて来るみたいや」て。
 そうこうしてるうちにもうじき師走。あっちゅう間に正月がやってまいります。毎年のことながら気忙しいこって。その前に、祗園のある舞妓ちゃんが襟替えすることとなりました。店出しのときからよう知った妓どす。まだ19歳、ほんまやったらあと1・2年は舞妓ちゃんしてられるんどすけど。ここの屋形には今舞妓ちゃんが6人、来春店出し予定の仕込みちゃんが2人と、既に物理的な限界に来てるもんで、仕方なしに上から順番にところてん。
 来年は、次の妓が襟替えになんのどすけど、この妓は「雀※1やるまでは襟替えせぇしまへん」ちゅうて抵抗しとるらしおす。甲部は今年が担当どしたさかいに、次に廻って来るのは再来年ちゅうことに。それまで抵抗し続けられまっしゃろか(笑)
「おっ、○○ちゃんもう先笄結うてんのかいな。確か来月の半ばやったんちゃうか、襟替えは」
「そうどす、きんのからやしちょうど3週間ほど結わして貰いますねん。もうゆんべお座敷で黒髪舞わして貰いましたえ」
「ほぅ〜、毎日2回舞うても40回以上かいな、そら上手になるやろ。うちは例の通り最終日にな」
「へぇおおきに、よろしゅうお頼申します」
「せやけど、これで三人会もとうとう芸妓はんばっかしになって
しもたな。また新しい会を作らんとあかんな」
「いや、そんないけず云わんと、ず〜っと続けとぉくれやす」
 三人会、店出しのときから仲良し三人組で毎年、天皇誕生日にぼたん鍋を食べに行くのが習わしどす。あとは随時のご飯食べ。出立ての頃は、そらみんなよう食べたもんどすけど、さすがにこの頃は以前のような迫力は無うなって来ましたな、量もスピードも。
 「で、今年の例会はみんな大丈夫なんかいな? ××ちゃん、何や手術入院とか云うてたけど」
「へぇ、12月初めに入院して1週間程で退院やて云うてたさかいに、その頃には大丈夫どっしゃろ。いや這うてでも来やはりますて、××ちゃんやったら。△△ちゃんも『今年は半年前から家※2に云うといたし大丈夫』て云うてましたし」
 そうこうしてるとこへ、その××ちゃんが顔出しました。
「そろそろ、お夜食の時間やないかて思うて、外れたらあかんし急いで来ましてん」
ん〜、落ちたとはいえ、まだまだ食欲旺盛で(笑)
※1 雀   祗園祭の還幸祭のときに、八坂神社の舞台で奉納
       する舞で、甲部は「雀踊り」と決まっとります。
       今年は、豆志乃ちゃん、照雪ちゃんらが出てまし
       た。
※2 家   実家のことやおへん、所属する置屋さんのこと。

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