京都祇園観光案内

おことぉさん

 今年は今のところ、気象庁の予報が当って暖かい師走どす。なんやクリスマスも、もひとつ気乗りがせぇしまへんな。あと十日足らずで今年もお終い。舞妓ちゃんの中にはクリスマス明けくらいから早々と正月休みに入る妓もいたはります。
 暮れのある昼下がり、街中の喫茶店で○○ちゃんと××ちゃんが話しとります。
「○○ちゃん、あんた今年はお家帰るん?」
「ふん、今年は代休が仰山貯まってんので、25日から帰ろかいなて思うてんにゃけど、早う帰ったら正月の用意手伝わされたらかなんしなぁ」
「へぇ〜、ほな二週間近う休みあんにゃ。ええなぁ」
「そういう××ちゃんはどないするん?」
「うちは(家が)近いし、29日頃に帰ろかいなて。その頃やとお兄ちゃんも仕事終ってるし、車で迎えに来て貰おかいなて思うてんにゃけど」
 昔みたく、大晦日までお座敷があって、一夜明けたらまた元日からお座敷があるちゅう時代やおへんし、大抵の地方から来たはる芸・舞妓ちゃんらは実家へと里帰りしてしまうんどす。新人の舞妓ちゃんだけ大晦日まで残して、※1おことぉさんの挨拶廻りをさせてはる置屋さんもおすけど。
 実家の近い妓は楽どすけど、遠い妓やと移動が大変どす。切符の手配なんかは屋形がしてくれますけど、帰るとなるとお土産やら何やらで、これもまた面倒なことで。それでも、帰ったら同級生やらと久しぶりに会えるし、楽しいことには違いおへん。
「おっ、二人揃うてまた何ぞ悪だくみの相談してんのか?」
「いやぁ、おとうはん、こんにちは。あんまり人聞きの悪いこと云わんといとぉくれやす。それよかおとおはんこそ昼間っから何してはりますのんこんなとこで」
「いや、近くまで用事があって来たんやけど、前通りかかったらあんたらの顔が見えたさかいに入って来たんや」
「近くまでて、○×さん姉さんとこどすか〜」
「阿呆なこと云いな、そんなんやったらわざわざあんたらのとこへ寄るかいな、避けて通るがな」
「ご心配無う、うちら口は堅おすさかいに。その代わりちゅうたら何どすけど、サンドイッチ食べてもよろしおすか〜」
「あぁ、サンドイッチでもヨンドイッチでも好きなん食べたらええがな」
「おおきにぃ、丁度小腹が空いてましてん。虫養いに呼ばれますぅ」
余計なとこへ顔出したらあきまへんな。飛んで凍てつく冬の虫
 今年もうちのしょうむないヨタ話にお付き合い頂きまして、ほんまにおおきに有難うさんどす。ごまめを書き出して5年近くになります。そろそろ祗園ネタも切れて来た頃で、最近は回数も減ってまいりました。また来年も続けられるかどうかは分らしまへんけど、その節はまた宜しゅうにお頼申します。今年の暮れはノロが大流行、皆はんもせいぜいお気をつけて、ええお年をお迎え下さいませ。
※1 おことぉさん 舞妓ちゃんらが、大晦日の日にお世話になっ
          たお茶屋さんにお礼の挨拶に廻ること。衣
          装はそんなりでよろしい。受けたお茶屋さ
          んは、お返しに「副玉」をあげます。

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