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愛宕さんと八朔

一月に亙る祗園祭も済んだら、三十一日は夏越祭、夜は愛宕山の千日詣がおす。これは火伏せの神さんを祀った愛宕山に、この日に 詣ると千日分の御利益があるちゅう、何ともサマーバーゲンみたいなもんなんどす。また子供をこの日に連れて行くと、その子は一生火災に遭わへん、とも云われとります。せやから、小さい子達を背負うた親御さんもたんと登ってはりますえ。

この愛宕山、行ったことあるお方やとご存知どっしゃろけど、結構ハードな道なんどす。急な階段がこれでもかちゅうくらいに続いとります。慣れへん方やと2時間以上かかるんやおへんか。

「おっ、○×ちゃん今年も愛宕山登るんか?」
「も〜ぅ、去年でこりごりどす。みんなに『あんなもん楽なもんやで』ちゅうて騙されて連れてかれて、えらい目に会いましたわ。おまけに次の日ぃが八朔で、 帰って来たんが朝の5時で眠てへんわ、足はパンパンやわで道歩いてて倒れそうどしたえ」

一夜明けたら八朔どす。文字通りに八月朔日を略したもんどす。昔の農家ではこの日に新しく採れた穀物を供えて祝ったらしおす。祗園町ではこれとはちと違うて、この日に芸・舞妓さんらが日頃からお世話になってるおっしょはんとこを初めにお茶屋さんなんかを廻って「おめでとうさんどす」ちゅうて挨拶するしきたりがあんのどす。


舞妓ちゃんに若手の芸妓さんらは黒紋付に白塗りの正装、、なんぼ絽ぉの着物ちゅうても、暑い盛りの京の町中、それも暑い盛りに歩き廻るんは並大抵なもんやおへん。特に今年の暑さは尋常やおへん、熱中症で病院へ担ぎ込まれた人数も七月は過去最高やったそうどすさかいにねえ。道歩いてるときやら挨拶のときは人目もおすさかいに、いかにも涼しげな風してはりますけど、家帰って来たらそらすごい顔になっとります(^○^)

「あづ〜、干からびる〜。お母はん、よう冷えたビール※1呼んどぉくれやす」
「何云うてますのん、ちびのくせしてからに、麦茶にしときやす」
「え〜、どっちも親戚みたいなもんどすやん」

一息ついて紋付を脱がして貰うたら、あまりの汗で襦袢の赤が肌に移って白い肌が赤く染まってるらしおす。え、勿論聞いた話どっせ。まぁ、いっぺん見てみたいもんやとは思いますけど(^_^)

八朔も済んだらじきに※2六道参り、お盆が巡って参ります。今年もまたいつものメンバーでお迎えに行くことどっしゃろ。

※1 呼んどぉくれやす  ご馳走して下さい

※2 六道参り   お盆前、七日から十日まで六波羅の珍皇寺
          で、仏様を迎えるために「お迎え鐘」を撞
          きに行く習わしがあります。詳しくはこちらを

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2004年08月03日 11:30に投稿されたエントリーのページです。

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